散歩で、道端にハナキリンを見つけた。
道端に投げ捨てられ、壊れた鉢の間から
伸び上がった枝に咲く紅い花。
枝の棘で守られ咲く可愛い花は、相手により変わる。
マダガスカルに生まれ、世界に広がった。
多くの小動物から花葉を守るため、
ハナキリンの枝には棘ができ、
バオパオの幹は太く長くなった。
生まれ故郷の記憶を伝えながら、
大陸の片隅で捨てながらも、咲く愛い紅い花。
大きくひらいた美しい色の花弁を向けて、
キスミーとささやく可愛い花。
キスミーの微笑みで、棘を忘れて手を出す煩悩に暮らす凡人、
可憐に咲く願望の花ハナキリンを誕生日に送る愛を求める凡人、
愛を信じたがる多くの凡人は、咲く花の色香で、我忘れて手を出すだろう。
可愛い花には棘があり、逆境に耐えた純愛の花。ちょっと待て、キスミーの後に現実がやって来る
棘に刺され血を流しては直し、茨の冠を被り又打ち捨てながら、それぞれの人生を終えて行く。
その途中で、棘が丸まり収まりやすくなってゆく事もあるだろう。棘の無いハナキリンが、日日草のように。
だが、日日草でさえ、扱いを間違えれば毒にもなる
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